遺伝による高コレステロールは、全体の2%だった!

家族性高コレステロール血症という症状があります。
端的に言えば、先天的、遺伝的に体内の悪玉(LDL)コレステロール値が高く、高脂血症や動脈硬化などのリスクが高い状態です。

今までは、悪玉コレステロール値が高い人の約25%(つまり、4人に1人)が遺伝性の異常があるとされてきました。

健康的な生活を送っていて、特別太っていないのに悪玉コレステロール値が高い人は、遺伝性のものじゃないかということになっていたんですね。

ところが、2016年4月にアメリカの心臓学会で発表された内容によると、遺伝が原因でコレステロール値が高い人はわずか2%だったことが分かりました。

この研究は、コレステロール値が非常に高い2万6000人以上を対象に行われたそうで、過去最大の遺伝子配列の研究だったようで、信憑性の高い研究データだと思います。

家族性高コレステロール血症とは、どんな症状か?

悪玉(LDL)コレステロールがあると、からだに悪いという印象を与えてしまいます。
「悪玉」という呼び方が誤解を招く元になっていると思うのですが、悪玉コレステロールも、体に必要なコレステロールです。

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ただし、この数値が高くなると動脈硬化や心疾患のリスクが高くなります。
通常、悪玉コレステロールの正常値は60~119mg/dlとされています。

この値が250mg/dlを超えると危険水域になりますが、遺伝による家族性高コレステロール血症の場合、生まれつき300mg/dl以上あり、時には1000の値になることもあります。

国の難病指定を受けている難病で、完治が非常に難しい病気です。

家族性高コレステロール血症になる原因

コレステロールは、人間の体に不可欠なものです。
これは、食事によって体外から摂取するだけでなく、体内でもコレステロールが作られて、体全体に必要な量を調整しています。

体内で過剰となったコレステロールを捕まえ、肝臓へ運ぶ役割をしているのが「LDL受容体」と呼ばれるものです。
肝臓は、外から運ばれたコレステロールと、体内で作られるコレステロールの全体的な量を調整してくれています。

ところが、LDL受容体が遺伝によって欠損していたり、もともと無いために体内のコレステロールが肝臓に運ばれること無く溜まってしまいます。

このことで、LDLコレステロールの値が異常に高くなってしまうわけです。

家族性高コレステロール血症には治療が必要で、食事療法や薬、運動療法なっで症状の改善を目指します。

家族性高コレステロール血症ではない場合に、どうやってコレステロール値を下げるか?

今回のアメリカでの研究では、家族性高コレステロール血症は全体の2%ということが分かりました。
ということは、ほとんどの人が頑張ればコレステロールを下げることが出来るということです。

悪玉コレステロールが高くなるのは、生活習慣によります。
カロリーの高い食事をしている、普段運動をまったくしない、不規則な生活をしている、ストレスを常に感じているなど。

コレステロールを下げるためには、これらの生活習慣をまず改めることが大切です。
食事の量を減らし、高カロリーなものは避け、ウォーキングなどの軽い運動(有酸素運送)を習慣化することです。

その上で、サプリメントを併用したりして、悪玉コレステロールを下げる努力をしましょう。
生活習慣をまったく改めずに、サプリメントだけに頼るのは本末転倒ということです。