食物繊維はコレステロールを減らす働きがある
便秘には食物繊維が良いという話はよく聞きますが、実はコレステロールを下げる働きもあります。
食物繊維には、胆汁酸を吸着させて体外に出すという働きがあります。食物繊維に吸着されて体外に出た胆汁酸は、
出た分だけ体内で補う必要性が出てきますが、その時に体内のコレステロールが消費される仕組みになっています。その結果、
コレステロール値が下がるという効果があるのです。
また、食物繊維は、胆汁酸だけではなく、コレステロールそのものも体外に排出させる働きもします。
このように、食物繊維をたくさん摂ることで、体内のコレステロール値や中性脂肪を下げることができるのです。
水溶性の食物繊維をたくさん摂ろう
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。
●水溶性食物繊維(SDF)
熟した果物などに多く含まれています。食後の血糖値の上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑えたりする効果があります。
●不溶性食物繊維(IDF)
野菜や穀類、豆類などに含まれています。大腸の働きを促しますので、便秘解消には、この不溶性食物繊維を多くとると効果的です。
コレステロールを下げるには、上記のように水溶性食物繊維(SDF)が効果的です。SDFは食物コレステロールの吸収を抑えますので、
果物をたくさん食べることが望ましいのです。
食物繊維は、どのくらい食べれば良いの?
さて、食物繊維がコレステロールの抑制に良いことが分かりましたが、1日に少なくとも25から30gを摂るのが望ましいとされています。
その目安として、成人の場合1日に野菜を300g以上、果物を200g以上摂るようにしましょう。
1食あたりに食べる野菜の量は、120g程度です。生野菜で両手のひら1杯分です。
最近では、この量の野菜や果物を摂れないので、それを補うためのサプリメントが人気です。サプリメントは、
たしかに食物繊維を効率的に摂ることができますが、やはりバランスを考え、できるだけ自然の食物から摂取するほうが望ましいです。