悪玉コレステロールが酸化すると

動脈硬化は、悪玉コレステロールが増えることに起因して引き起こされますが、実は悪玉コレステロールそのものが悪者なのではなく、
活性酸素によって酸化された悪玉コレステロールが、動脈硬化を引き起こすことが、最近の研究によって分かってきました。

悪玉コレステロールが、活性酸素によって酸化されると、悪玉コレステロールは体内で異物とみなされます。
その異物を取り除き、脂肪を守ろうとする働きを持つのが、マクロファージと呼ばれるものです。
マクロファージは、参加した悪玉コレステロールを食べていきます。
悪玉コレステロールを食べてくれるのだから、良いんじゃないか?と思われるでしょうが、実はこのマクロファージ、
悪玉コレステロールを大量に食べ過ぎると飽和状態になって、泡沫細胞とよばれる物質になって、血管の壁にへばりついてしまうのです。

泡沫細胞がたまると、どうなるのか?

泡沫細胞がたまると、血管の壁が盛り上がり、放っておくと破裂して血管壁に傷が付きます。
その傷を直そうと、血小板がかさぶたのように血管壁に固まります。これが原因で、血管の壁が硬く、狭くなり、
動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

本当の悪者は、活性酸素だ!

このように、悪玉コレステロールが酸化することが動脈硬化を引き起こすことが分かってきました。となると、
酸化の原因を作る活性酸素が一番の悪者だということになります。
活性酸素は、普通に呼吸するだけでも、取り入れた酸素の約2%程度が活性酸素になりますが、その程度ではたいしたことはありません。

少量の活性酸素は、体内に入ってくるウイルスや最近をやっつけてくれる働きを持ってるので、逆に歓迎すべきものです。
しかし、活性酸素が増えると、悪玉コレステロールを酸化させ、動脈硬化を引き起こすので、バランスが大切だということです。

活性酸素が増える原因

活性酸素が増える原因としては、以下のようなものがあります。

●紫外線
●排気ガス
●農薬
●喫煙
●ストレス
●食品添加物

現代に生きる私たちが、避けて通れないものばかりです。
特に、ストレスの多い職場や家庭環境などの方は要注意です。

活性酸素を抑えるために

活性酸素を抑えるためには、上記のような環境を出来るだけ避けるとともに、活性酸素を抑える抗酸化物質を体内に取り込む必要があります。

抗酸化物質は、食べ物から積極的に取り入れることが出来るので食生活を変えることから始めてはいかがでしょうか。
抗酸化物質は、体内でも作られますが、ピークは25歳頃です。40歳を超えると、抗酸化物質を体内で作る能力が衰えますので、
特に食事に気をつけ、ストレス発散などの生活スタイルに切り替えることが、第一です。